徳島家庭裁判所 昭和58年(少)280号 決定
少年 S・R(昭四三・一〇・一三生)
主文
少年を徳島保護観察所の保護観察に付する。
理由
非行事実
司法警察員作成にかかる昭和五八年二月一六日付け、同年七月二日付け各少年事件送致書記載の犯罪事実のとおりである。
保護処分に付する理由
当裁判所の審判の結果ならびに家庭裁判所調査官の作成にかかる少年調査票等による少年の資質・性行・環境・非行性に照らし保護観察を加えることが相当と認める。
法令の適用
窃盗の事実につき、刑法二三五条、六〇条
恐喝の事実につき、刑法二四九条一項
少年法二四条一項一号・少年審判規則三七条一項
(裁判官 清水節)
処遇勧告書〈省略〉
〔参考一〕 司法警察員作成の少年事件送致書の犯罪事実
(昭和五八年二月一六日付け)
一 告被疑少年S、同A、同B、同C、同D、同Eの六名は、昭和五八年一月一五日午後三時頃から同日午後四時頃までの間に、徳島市○○町○○八、○○資材KK、東側国道上に駐車中のF所有にかかるオートバイ一台(時価一〇、〇〇〇円相当を、
二 被疑少年S、同A、同Bの三名は、昭和五八年一月一六日午後七時頃板野郡○○町○○字○○×先駐輪場に駐車中のG所有にかかるオートバイ一台(時価五、〇〇〇円相当)を
三 被疑少年S、同A、同H、同Bの四名は、昭和五八年一月一七日午前二時頃から同二時三〇分頃までの間に、徳島市○○町○△×、I方敷地内において、同人所有にかかるオートバイ一台(時価三〇、〇〇〇円相当)を
四 更に、右被疑者四者は、昭和五八年一月一七日午前二時三〇分頃から同三時頃までの間に、徳島市○○町△△××ノ×、○○アパート南側駐車場においてJ所有にかかるオートバイ外二台(時価合計八〇、〇〇〇円相当)を夫々共謀し、窃取したものである。
(昭和五八年七月二日付け)
被疑者は、中学生による校内暴力、恐喝事犯等を取材放映したテレビ放送を見たことから好奇心と暴力に対する刺激を受け通行する小学生ぐらいの子供から金品を喝取しようと企て
一 昭和五八年三月三一日午後二時三〇分ごろ鳴門市○○町○○字○○××地先所在の○○川に架設されている○○橋を自転車に乗り北から南へ向けて通行するK(一二歳)を認め「待て」と呼止め
お金持つとんか身体検査して持つとつたらわいのもんぞ
などと申し向け金品の提供を要求し危害を加えかねない態度を示したが所持金が少なかつたために
まあええわこの菓子でこらえたる
と申し向け暴力を加えられるかもわからないと畏怖している同人から同所においてチョコフレーク一個(時価一〇〇円相当)を喝取し、
二 更に被疑者は前記月日の午後三時一〇分ごろ、鳴門市○○町○△字○○○××所在○○歯科医院付近の東側道路の東側歩道を北から南に向けて自転車に乗り通行中のL(一〇歳)ほか一名を認め同人等に対し
おい、ちよつと待て、何処の学校なお前らお金持つとんか、若し持つとつたらわいのもんぞなどと申し向けズボンのポケット等を手で押えて金品所持の有無を確かめ、被害者が医療費として所持していた現金を暴力を加えられるかもわからないと畏怖しこれを見せた同人に対し
これ貰つとくぞくれんとどずくぞ
などと金品を要求し、若しこの要求に応じないときには暴力を加えるが如き態度を示し同所において同人から現金一、五〇〇円(一、〇〇〇円札一枚五〇〇円札一枚)を喝取し、
三 更に被疑者は、昭和五八年四月七日午後二時ごろ鳴門市○○町○○字○△××○○文具店東側に所在する駐車場の東側市道を南から北に向け自転車に乗り通行するM(一三歳)を認め「おいおい」と声をかけて呼止めて
ちよつと話があるこつちへ来い
と同人を右駐車場の奥に連れ込み同所において
お前お金持つとんか、それわいにくれみせてみい
などと申し向け、金品を要求し、若しこの要求に応じなければ暴力を加えるが如き態度を示し、被疑者の気勢に畏怖し所持していた現金一、〇〇〇円(一、〇〇〇円札一枚)を示したところ
この金くれよ
と申し向け同所において同人から現金一、〇〇〇円を喝取した
ものである。
〔参考2〕 少年調査票〈省略〉